昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

2009-01-01から1年間の記事一覧

Kendall Walton論文リジェクト

えー、先日、「分析美学で一本論文書くぜ!」と偉そうに宣言しましたが、 紀要に出したら、うちの社長にダメーとリジェクトされたので、載りません。 期待していた方(もしいたらの話ですが)、すいません。 特にこの後どこかに投稿するという感じでもないし…

ボス新刊

指導教官の最新刊。 とはいえ、別に内容的には最新ではなく、今までの論文を再編集してまとめたものです。もう全部読んでる俺は買うべきか迷ったが、まぁ買わないわけにはいくまい。 正直、「出すの遅せーよ!」って印象でもありますが、刊行にいたるまでの…

サルトル学会で発表します。

またまた告知です。 http://ajes.blog.so-net.ne.jp/ 研究例会のお知らせ第24回研究例会を以下のとおり開催することになりましたので、ご案内申し上げます。会員以外の方もご自由に聞くことができます。多数の皆様のご参加をお待ちしております。日時 : 200…

面接免除内定予定

えー、うちの業界の内輪話なんで申し訳ないですが、報告です。 上記の通りでした。 「でーせーどぅー」です。 (別にこの婉曲語法に他意はなく、単に検索でいろいろ飛んできそうな時期なので避けてるだけです。) これで財政予算的な事情で変なことにならな…

告知です。「イメージ研究の再構築」

告知です。 UTCPで精力的に活動されてる近藤さんという方と最近お知り合いになりまして、その方から情報が回ってきました。 (実はこれはこれで、また世間狭いなーってかんじでいろんな方とリンクするわけです。ねぇYさん。) テーマ興味ないけど「フラ語聞…

日本の夏、近況の夏

日焼けしすぎてます。 僕に会っても「キミ勉強してないでしょ」というセリフ禁止。 すいませんすいませんすいませんすいませんすいません。 研究は進んでる気がします。ちょっとずつ。 が、方向があってるのかは分かりません。 研究室でのコロキウム発表をど…

高校野球東京都準々決勝

今日は早起きして、先輩からもらったタダ券で、サーカス観に行ってきました。 ボリショイサーカス。 最近の小学生は開演待ちの間に数学ドリルやるのかよ、と思いながら開演待ち。ねむい。 ライオンとか出てこないって知ってたから(大型ネコ科の猛獣が火の輪…

哲学若手フォーラム終了

先週末の土日で「哲学若手研究者フォーラム」が開催され、無事終了しました。 ご来場してくださった方々、どうもありがとうございました。 ダメもとで去年レクチャーテーマ希望調査に挙げてみた「分析美学」が、アンケートで意外と多くの票を獲得(アンケー…

Communista Social Club

ご無沙汰してます。 Philosopie Magazineの最新号(2009年7-8月号)のとある記事が、なかなか面白かったのでちょっと書きます。 面白かったのは「Communista Social Club」(おしゃれなタイトルですね)という題の記事で、5月にロンドンで行われた共産主義…

告知 哲学若手研究者フォーラムプログラム

若手フォーラムのプログラムが出ました。 参加希望者は、 annai@wakate-forum.org もしくは僕に連絡をいただければ、より詳細な情報を送ります。 (宿泊希望とか、交通費補助とか。) ※ただし参加費がちょっとばかしかかります。自主運営なんでね! 世話人と…

告知:Colloque international de l'Association Japonaise d’Etudes Sartriennes (日本サルトル学会第23回例会)

告知です。 国際シンポジウムのお知らせ Colloque international de l'Association Japonaise d’Etudes Sartriennes 日本サルトル学会第23回例会が下記のように開催されることになりましたので、ご案内申し上げます。今回は、ジャン=ピエール・ブレ、フラン…

告知と発表者募集。哲学若手研究者フォーラム。7/18(土)、19(日)。

前回のエントリで、若手フォーラムのことを書きましたが、僕が勘違いしてたようで発表募集は前回のメールが正式なやつだそうです。別にこれから正式な募集があるわけではありません。すいません。 というわけで、発表を希望する方は連絡をください。早めに。…

告知。哲学若手研究者フォーラム。7/18(土)、19(日)。

告知です。 そういえば、ずっと前に「哲学若手研究者フォーラム」の案内メールが来てたのでした。 とりあえず、ここにペーストしておきます。 このフォーラムは、基本は若手の発表会ですが、毎年あるテーマで先生方を呼んでレクチャーを行っていただくという…

近況。

ホントは二日前に新年度の豊富もこめて書こうと思ったのだけど、エイプリルフールだったので、止めました。近況報告です。・春から同居人が社会人にジョブチェンジしたので、それにあやかって生活スタイルを朝方に変えております。早寝早起き。というか夕方…

飽きの現象学 結

とりあえず、今回の飽き論はここで終了です。 飽きについてはちょっと前から考えていて、ちょくちょくメモしてました。今回はとりあえず今あるメモ書きをまとめたらすぐ終わるかなーと思って始めたけれど、書いてるうちにいろいろと考えがまとまったり変わっ…

飽きの現象学 3.4 飽きないもの――神、排泄等の低級欲、言語、依存。

ここもメモ程度。 ●神に祈ることに飽きてはならない。そして祈りは形式化してはならない。 ●楽しみに飽きた時、人は別の楽しみを探す。では、楽しむことに飽きると言うことは可能か?この点はよくわからない*1。 ●何度も述べたように、飽きない場合とは、も…

飽きの現象学 3.3 現代社会における飽き

●飽き飽きしている人間は、選択肢を多く抱え、様々な欲求を持つことが出来る時代にのみ現れる。彼らは、ある意味では幸福な世代である。飽き飽きという感覚は恵まれている者にしか感じることは出来ない。 ●選択肢のない奴隷、頭が凝り固まった偏屈な者、被支…

飽きの現象学 3.2 飽きは「芸術家は自分を深く見つめなさい」という言説を説明する。

●「アーティストは、回りに流されずに、自分をしっかり見つめることが大事だよ」としばしば言われる。(cf.リルケ『若き詩人への手紙』) ●これホント?自分をしっかり見つめても良い作品・認められる作品が作れるとは限らんのではないかね?自分の独りよが…

飽きの現象学 3.1 飽きは美術史における様式の変化を説明する。

●個人的な反応についてではなく、マクロな視点から飽きを考えてみると、様式の変化、流行の変化には飽きが介在していると言える。(もちろん最近の流行の変化は、むしろマスコミやファッション産業の意図が大いに絡んだ単なる営業戦略によるところが大きいが…

飽きの現象学 第三章 飽きの考察から見えてくるもの

最後に、いくつか思いついた論点を並べておく。 論旨の方向性はまだバラバラでまとまってない部分も多々あるが。 今後の議論の発展性も踏まえて。

飽きの現象学 2.5 飽きと作品の存在論に与える影響

●「飽きる」と「見なくなる」との違い。そのとき作品の存在論に違いは出るのか?また、飽きという認知的な要素が存在論に介入するなら、そのとき作品の存在論はどうなるだろうか?その存在論は非常にアドホックになるだろうか? ●たとえば、作品に飽きたとき…

飽きの現象学 2.4 飽きの効用?

●人は飽き続けるわけにもいかない。飽きへの気づきは次への運動を方向付けるだろうか?つまり、飽きは次への志向への促しとなるだろうか? ●はっきりいって、これはよくわからない。現象学的には、我々は飽きと次の志向とのつながりを見ることはおそらく不可…

飽きの現象学 2.3 飽きと反省との関係

●「というか別にこれ美的体験に限った話ではなく、志向的行為全般に言えることじゃね?」という突込みが来るかもしれない。確かに。その点だけ見ると、この両テーゼは、たいしたテーゼではない。 ●だが、このテーゼに「反省」という要素を加えて、もう少し美…

飽きの現象学 2.2 感性‐飽きの一体説 the Aesthetic-Boredom unit theory

●しかし、ここまで見てきたように志向性の観点からすれば、感動を終わらせるのが飽きである。この観点からすれば、美的体験を終了させるのは、なんらかの飽きだと言える(かなり弱い飽きであったとしても)。 ●感性的体験は必然的に飽きを伴う。感性的体験は…

飽きの現象学 2.1 感性‐飽きの二元論 the Aesthetic–Boredom dualism

●作品などによって心が動かされる体験を感性的体験とするならば、その対立概念は飽きである。 ●しばしば、「美」の対概念は「醜」だと言われてきた。しかし、これは「美」をひとつの美的カテゴリーとしてみる場合に限る。この場合「美」も「醜」も、どちらも…

飽きの現象学 第二章 飽きの美学

『飽きの現象学』第二章 飽きの美学 ●飽きについての考察は、美学における「美の永遠性」という考え方に異議をとなえる。永遠の美とは単に机上の空論であり、そのような美は存在しない。「飽きないもの」という美の定義は覆されるべきである。 ●また、芸術体…

飽きの現象学 1.5 時間的観点から――飽きへの落ち込みを捉えることは出来ない

飽きの現象学 1.5 時間的観点から――飽きへの落ち込みを捉えることは出来ない ●我々は飽きを様々な時間軸で考えることが出来る。「あの人の話にはもう飽きた」とは、毎日延々と聞かされて飽きている「状態」を指すときもあれば、長時間聞き続けたことによって…

飽きの現象学 1.4 意志の欠如――意志的に飽きることは出来ない

1.4意志の欠如――意志的に飽きることは出来ない ●飽きるのは意志的な振る舞いではない。我々は飽きようと思って飽きるのではない。 ●意志の欠如に関しては、美的体験にも言える。作品体験の没頭は意志的に行われるものではない。美的体験において、飽きるとは…

飽きの現象学 1.3追記

飽きの現象学 1.3 飽きと対象――飽きは志向的行為の終わり 追記 ●自己についての非措定的意識――自己(についての)意識consciense (de) soi*1――を考慮せねばならない。意識の志向がある外的なものに向かっていても、我々はそれと同時に非措定的なかたちで自己…

お休みの理由

投稿論文の査読結果がげんなりする形で返ってきて、ちょっとやる気を失ってました。 「水に気持ちは伝わらないよ!理由A,理由B・・・」って書いたら、「いや、気持ちを感じるのは水の性質ではあるまいか」って返されたかんじ。 萎える。 追い討ちをかけるよ…