昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

九鬼周造記念シンポジウム 「愛と人生の価値」で「子育ての美学」という発表をします。

表題のとおりです。 甲南大学の吉川さん企画です。 源河さんは「結婚」と「不倫」の話で、僕が「子育て」、全体的なテーマは「愛と人生」という、なんか壮大なイベントになってます。 イベントの告知ページはこちら。 第5回九鬼周造記念シンポジウム 「愛と…

【翻訳が出ました】ロペス、ナナイ、リグル『なぜ美を気にかけるのか:感性的生活からの哲学入門』

翻訳が出ました。 ドミニク・マカイヴァー・ロペス、ベンス・ナナイ、ニック・リグル著 『なぜ美を気にかけるのか:感性的生活からの哲学入門』 森功次訳、勁草書房、2023年 なぜ美を気にかけるのか: 感性的生活からの哲学入門 作者:ドミニク・マカイヴァー…

【告知】VTC/VTS日本上陸30周年記念フォーラム2022 「対話型鑑賞のこれまでとこれから」

こちらのイベントで登壇します。 VTC/VTS日本上陸30周年記念フォーラム2022 「対話型鑑賞のこれまでとこれから」 www.acop.jp 昨年いくつかこの手のテーマで文章を書いたり講演したりしてたんですが、それをきっかけにお声がけいただいたっぽいです。 こない…

授業担当教員のresearchmapを見よう、という話

各学期の最初の授業のときに、毎回「学生の皆さんは授業担当教員のresearchmapを見るようにしましょう」という話をしてるんだけど、毎回同じ話をするのも飽きてきたので、いったんブログにまとめておくことにします。 以下、授業資料からの転載 ↓↓↓↓↓↓ みな…

【告知】2/4 アーツカウンシル・フォーラム「表現者を支えるプロデュースと目利き力」(要申込)

告知です。 下記のイベントでモデレーターを務めます。 www.artscouncil-tokyo.jp 2021年度 アーツカウンシル・フォーラム「表現者を支えるプロデュースと目利き力」 2022年2月4日(金) 第一部 14:00~16:00 北村明子(シス・カンパニー代表取締役、演劇…

最近のお仕事(2021夏)と、その補足解説

いくつかの仕事が世に出たのでお知らせです。 1.論文 森功次「われわれ凡人は批評文をどのように読むべきか :理想的観賞者と美的価値をめぐる近年の論争から考える」『人間生活文化研究』No.31, 2021. http://journal.otsuma.ac.jp/2021no31/2021_365.pdf…

映像作品の倍速視聴は何を取りこぼすのか、銭さんへのリプライ

現代ビジネスの記事で映画の倍速視聴がちょっと話題になってた。 倍速視聴の問題はネタバレの話と論点がかぶりそうな話題だよねー、と思ってたら、早速銭さんがそれをテーマにnoteを書いてた。早い。 論点整理もクリアで、さすがですね。 で、銭さんがネタバ…

現代ビジネスに『シン・エヴァ』記事を書いたので、そのネタバレ論をさらに掘り下げて解説

『現代ビジネス』に記事を書きました。 『シン・エヴァ』まわりではみんなネタバレに配慮していて優しいね、という話です。基本ネタバレなしで、おもしろかったとか、つまらなかったとかも書いてないですが、記事を読む人は、まず記事冒頭の注意書きをよく読…

メルロ=ポンティ哲学研究会に特定質問者として出ます。3/27(土)

メルロ=ポンティ哲学研究会に特定質問者として出ます。 ・第10回メルロ゠ポンティ哲学研究会 特別企画「現象学的美学ワークショップ」 (参加登録:https://forms.gle/gSDtrNJDZjDKP1SdA) 日時:2021年3月27日(土)11:00-18:00 開催方法:Zoom - 午前の部…

あけましておめでとうございます。近況報告。

あけましておめでとうございます。 報告遅れましたが、書いたものが年末にどどどっと出ました。 『美学の事典』12月25日発売 「批評・解釈の役割――作品の意味は作者の意図に還元されるのか」 「子育てと美学」 の2項目を書いてます。 原稿自体はかなり前に…

【追記あり】論文が出ました。「芸術作品のカテゴリーと作者性 :「なぜ会田誠の絵をVOCA展に出してはいけないのか」」

論文が出ました。 森功次(2020)「芸術作品のカテゴリーと作者性―「なぜ会田誠の絵をVOCA展に出してはいけないのか」」『人間生活文化研究』No.30 2015年の美学会(早稲田大学)で発表したやつをブラッシュアップして論文化したものです。 2015年のVOCA展で…

ウォルハイム『芸術とその対象』を読んだ。

ウォルハイムのArt and Its Objectsの翻訳が出た。ダントー『ありふれたものの変容』に続く、松尾大先生のお仕事。分析美学の古典がこのように日本語で読めるようになることは本当にすばらしい。 内容についてはすでに銭さんが良質の紹介文を書いているので…

三浦俊彦『東大の先生 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!』を読んだ

読んだ。 今年度は「アート思考ブームの教育的意義を美学の観点から検証する――創造性、独創性、自己啓発」という研究課題で研究費をとってるので、とりあえずいろいろアートビジネス書系の本を読んでいる。これ系の本はたいてい「アート」という言葉を無造作…

『分析美学入門』解説エントリ7、実際の意図主義への批判について

ひさびさの『分析美学入門』解説エントリです。前回のはこちら(なんと6年ぶりの解説だ!)。 『分析美学入門』第7章第4節「実際の意図主義に向けられるいくつかの批判」について、twitterで質問を受けて回答をしたので、記録がてらこちらにも転載してお…

教養科目の授業「哲学と思想」のための資料:「各回で考察する問題、および参考文献リスト」

新型コロナウイルスの影響で、本務校の大妻女子大学でも授業開始が延期されました。 授業開始に先立って、教養科目の授業「哲学と思想」の資料「各回で考察する問題、および参考文献リスト」を公開しておきます。 授業開始が延びたとはいえ、勉強しなくてい…

描写の哲学研究会が開催されます。1月25日(土)@大妻女子大学

描写の哲学研究会が開催されます。 ちょっとだけ協力してます。 https://dpct.tumblr.com/2019 日時:2020年1月25日(土)13:00–最長18:00(開場12:30) 場所:大妻女子大学 千代田キャンパス 大学校舎H棟 H215 主催:松永伸司 協力:森功次 後援:フィルカ…

美学会のシンポジウムに登壇します。1月12日(日)成城大学。

美学会のシンポジウムに出ます。 昨年台風で中止になったやつのリベンジ企画です。 詳細情報はこちら。 10月12日に第70回美学会全国大会で予定されていた「委員会推薦研究発表」および「当番校企画シンポジウム」を、2020年1月12日(日)午後、成城大学にお…

瀬戸内哲学研究会で芸術的価値に関するレクチャーをします。11月26日(広島大学)。

瀬戸内哲学研究会で芸術的価値に関するレクチャーをします。 Date: November 26, 2019Venue: 広島大学総合科学部A棟A705号室Program:(1) 12:50 - 14:20: 森功次(大妻女子大学)「芸術的価値をめぐる現代の論争:ロバート・ステッカーの議論を中心に」(2) 14:35…

あいちトリエンナーレについて記事を2本書きました

書いてからちょっと時間が経ちましたけども、あいちトリエンナーレについて記事を2本書きました。 『現代ビジネス』 gendai.ismedia.jp 『文春オンライン』 bunshun.jp いろいろ言いたいことはもっとあったんだけど、どちらの記事も依頼された文字数を大幅超…

宇宙開発フォーラム2019のワークショップ「宇宙開発における芸術」に出ます。

【告知】下記のイベントに出ることになりました。 宇宙開発フォーラム20199月14-15日(土、日)東京大学 武田先端知ビル 武田ホール https://www.sdfec.org/program 15日(日)13:00 - 16:30のワークショップ 2「宇宙開発における芸術」に出ます。

【資料追加】一橋大学の哲学・社会思想セミナーでレクチャー講演をします。7月12日(金)の昼。

先日のネタバレイベント@代官山蔦屋書店は立ち見が出るほど盛況に終わりました。 写真パシャパシャ撮ってたので、そのうちフィルカルHPにも記録が載ると思います。 で、次のお仕事ですが、一橋大学の哲学・社会思想セミナーでレクチャー講演をします。平日…

『フィルカル』Vol. 4, No. 2では、「ネタバレの美学」特集を組んでます。【特集序文公開】

今をときめく哲学文化雑誌『フィルカル』の最新号(Vol.4, No.2)は、「ネタバレの美学」という特集を組み、ネタバレをテーマにした論文を5本収録しています。 フィルカル Vol. 4, No. 2 ―分析哲学と文化をつなぐ― 作者: 高田敦史,渡辺一暁,森功次,松永伸司,…

授業課題用の採点用ルーブリックをつくってみた

先日受けた学内のFD研修会で、「採点ルーブリックを作るといいですよ」という話があったので、ためしに自分の授業課題に合わせて作ってみた。*1 「作品を批評しなさい」系の課題と 「人の意見を批判しなさい」系の課題の2つだ。 「批評しなさい」系の課題 「…

6/26(水)に代官山蔦屋書店でのイベント「ネタバレのデザイン」(with仲山ひふみ、松本大輝)に登壇します。

告知です。 代官山蔦屋書店のイベントに出ることになりました。 『フィルカル』の次号が「ネタバレの美学」特集号になっていまして、その刊行記念イベントとして仲山ひふみさん、松本大輝さんとのトークをやります。 次の『フィルカル』にはネタバレに関する…

人文系院生・ポスドクの(ちょっと変わった)サバイブ術

西村玲さんについての記事がすこし話題になってたこともあって、以下のようなツイートをしていた。 文系ポスドクのサバイブ手段はほんとさまざまで、「え?そんなやり方もあるの?」みたいな驚きの宝庫なので、進学迷ってる人はとりあえず諸先輩方に相談する…

『フィルカル』Vol. 4, No. 1掲載、ドナルド・ジャッド「特種な物体」を読むためのリンク集

今をときめく哲学&文化誌『フィルカル』の最新号が出ました。 なんと大増量の436頁で2000円しない。お買い得すぎる。 詳しい目次はこちらでご確認どうぞ http://philcul.net/?p=808 昨年大妻女子大学で開催したワークショップ「ネタバレの美学」の報告文も…

慶應「分析美学概論」(木2)のシラバス

慶應でやってる非常勤、昨年までは英語論文を講読する形式でやってたんだけど、今年は契約上最後の年なので、ちょっと趣向を変えて「分析美学概論」という形でやることにした。専任の先生とも少し話した結果、概論的な授業もちょっとあったほうがいいのかな…

哲学系読書会のためのレジュメの作り方

最近は授業準備時期ということもあって、初回授業でどういう資料を学生に与えるべきなのか、というのをいろいろと考えていた。 考えていて頭に浮かんだのは、よく本の謝辞とかインタビューとかで言われている「わたしは修士のときに○○先輩にレジュメの作り方…

2018年度レポートに関するコメント、諸注意

各授業のレポートの採点がおおむね終わったので、いろいろと気づいたことを書いておく。以下に記した諸注意は、すでに履修者たちには送ったものだが、こういう注意点はどの大学でも共有可能なものだし、少しでも多くの目に触れるほうがいいので。 まず形式上…

分析美学を学ぶ人のために、邦語文献リーディングリスト(随時更新中)

5年前に、「日本語で読める分析美学」というエントリで文献リストを作ってたんですけど、その後いろいろと文献も出てきたし、そろそろ更新しようかなーと思って「邦語文献リーディングリスト2018年版」をつくりました。※その後、適宜更新しています。こちら…