昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

2009-01-01から1年間の記事一覧

飽きの現象学 1.3 飽きと対象――飽きは志向的行為の終わり

1.3 飽きと対象――飽きは志向的行為の終わり。 ●「〜に飽きる」と「〜は飽きる」。我々は「飽き」について主にこの二つの言葉遣いをする。この「に」「は」の助詞の違いに注目して議論を進めたいが、ここでも参考になるのは西村の『遊びの現象学』である。 彼…

飽きの現象学 1.2 飽きは新奇情報の欠如――ロボット、飽きと価値

●心理学で言われる「馴化」とは、信号に対する慣れを意味する。これはインプットはあるがそれが自分に与える変化・進化・発展はゼロということである。だが、これは情報量がゼロということではない。作品鑑賞に飽きるときも、その作品からの信号がゼロになる…

飽きの現象学 1.1 「飽き」の言語的分析――飽き、慣れ、疲れ

『飽きの現象学』 第一章 飽きとは何か――飽きの分析1.1 「飽き」の言語的分析――飽き、慣れ、疲れ●まずは「飽き」という言葉の使われ方に注目してみよう。言葉の使われ方に注目するのは哲学的にはオーソドックスなやり方だけど、いくつかの基本的特徴を発見さ…

飽きの現象学 序

序 本論の目的は、飽きという側面から芸術体験を考察することにある。 飽きることについては、 心理学(?)においては「馴化」、 脳科学においては、「疲労硬貨」(脳を構成するニューロンが、同じ刺激に対して飽きるという現象)、 経済学においては、「限…

飽きの現象学

以前から(こことかに書いたように)、「美学は飽きという現象についてもうすこしきちんと考えるべきだ」というのが持論でしたが、もう、とりあえず自分で考えたいくつかのことをブログでぶちまけちゃおうかなと最近思いました。 もんもん考えても、特に発表…

フランス行ってました。謹賀。

みなさま、遅ればせながら明けましておめでとうございます。 新年イベントをことごとく無視して、年末年始はパリに行ってました。bonne année! 研究ね。一応。 国立図書館に通って、昔の新聞記事とかパシャパシャとコピーしてきました。 書籍も、学生街まわ…