昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

次回の現代美学研究会はNicholas F. Stang (2012) "Artworks Are Not Valuable for Their Own Sake"

次回からしばらくはNicholas F. Stang (2012) "Artworks Are Not Valuable for Their Own Sake" in The Journal of Aesthetics and Art Criticismを読みます。

また芸術的価値についての話です。
芸術的価値についてといっても、論じ方や問題設定はたくさんあるので、前回のとはぜんぜん違う話ですが。
今回のは、「お前らの芸術的価値についての直観なんか当てにならんから、さっさと捨てろ」的なけっこう強烈な主張をしてる論文なので、皆で考えながら読むのは面白いと思います。勉強会向けですね。
作品の存在論とかやってるひとも、読むべき論文じゃないか。


最近つとに思いますが、芸術的価値ってテーマはいま英語圏の美学で結構熱いトピックです。
いろんな主題と絡んでくるので、論文読むのにもけっこう前提知識が要求されます。
こういうのはちゃんと誰かがまとめて紹介しなきゃねぇ。



Stangは2008年にプリンストン大でPhDとってるようで、結構若い人っぽいです。もともとカント研究者らしい。
今はマイアミ大にいるのかな?
フルブライトでドイツにもちょと留学してた人らしく、ドイツの雑誌に"A Kantian reply to Bolzano's critique of Kant's analytic-synthetic distinction."という論文を載せてたりします。
こんなひとがなぜいきなり芸術的価値に踏み込んできたのか、謎。


では。
2012年10月23日(火)20時から、東大本郷美学芸術学研究室です。