昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

次回の分析美学研究会は環境美学について(Parsons 2006 in BJA)。

次回の分析美学勉強会は、
Glenn Parsons (2006) "Freedom and Objectivity in the Aesthetic Appreciation of Nature" in British Journal of Aesthetics 46: 17-37
を読みます。


環境美学の論文です。
環境美学を研究している院生がいるので、この論文になりました。
自然環境を観賞ってなんだか自由っぽいけど、観賞の客観性はどうなるの?って論文ですね。


著者のGlenn Parsonsは環境美学の研究から出発しましたが、いまは環境の美だけじゃなくて、美一般についていろいろと考えているひとです*1
授業では、美の哲学、愛とセックスの哲学などいろいろやってる様子。
(本人のページ→) http://www.ryerson.ca/~g2parson/teaching.html



最近では、環境美学の大御所カールソンと共著で「機能美functional beauty」についての本を出してます。


26日(火)20時から、@東大本郷、美学芸術学研究室です。

*1:先日、一橋大で行われた神経美学のワークショップでは、「もう今の美学者たちは美についてあまり積極的に語らなくなったんじゃないか」という発言がありました。たしかに大陸系の人々は、政治的なところに気を使うこともあって、もうプラトンハイデガー的な「大文字の美」についてはあまり語らない傾向にあります。ですが、英米の美学者たちは今でも美beautyについてあれこれ論じているのです。ザングウィルとかスクルートンとか。この辺の議論は日本にほとんど紹介されてない。誰かちゃんとやれ。