昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

 日本におけるサルトル受容についての論文&サルトル学会発表

石井素子「日本におけるJ.P.サルトルの受容についての一考察」
京都大学大学院教育学研究科紀要 第52号)
が、かなり面白かった。


サルトル自身の著作の内容にはほとんど触れずに、当時の発行部数や雑誌の記事数などの細かいデータから論証するというスタイル。
数字から説得されるというのは、思想系の場にいる自分としては新鮮な体験。
(おそらく理系とか、文系でも社会学とかなら、これが当たり前なんだろうなぁと少し考える。)
日本におけるサルトル受容については、自分も少し前に色々考えていたのだがこの論文を読んで、かなり整理された。
多少「先にやられちゃった感」もあるが、自分が考えていたのと全く違うやり方で綺麗に整理されてて、悔しいというよりもむしろ感動。
このひとの修論が読みたい。


それにしても、漠然と考えていたことが、緻密なデータで裏打ちされるのはスリリングな体験である。





ちなみに、7月7日のサルトル学会で発表することになりました。
詳細はこちら
  ↓
http://blog.so-net.ne.jp/ajes/2007-05-13


タイトルは
「前期サルトル現象学における距離の概念について」ってなってます。
メールのやり取りの中で、暫定でこんな感じになりそうですって伝えてたら、そんまま載っちゃった。
たぶん変わらないから別にいいけど。



さて、勉強せな。