昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

次回の現代美学研究会はRobert Stecker (2012) "Artistic Value Defended"

コツコツと数回にわたってSibleyを読んで、ようやく読み終わったので、次回の現代美学研究会は
Robert Stecker(2012) "Artistic Value Defended" in The Journal of Aesthetic and Art Criticism
を読みます。


Dominic Lopesが2011年に、「芸術的価値ってうまくやれば美的価値に還元できるんじゃねーの」みたいな論文書いていたのですが、それにステッカーが応答してる論文です。
僕はステッカーの芸術的価値についての基本的な考え方については、今翻訳中のAesthetics and the Philosophy of Artの11、12章あたりで読んでいたので、Lopesの論文が出たときは「これステッカーと対立するよねー」と思っていたのですが、ステッカー先生もしっかりと反論をお書きになったご様子。
このあたりの盛り上がりは、面白いです。


芸術的価値については最近いろんな議論がもりあがってて、このあたり最近の分析美学業界のひとつのホットトピックなのですが、この論文はその論争のひとつの最前線になります。
どーせステッカーのことだからむずかしい論文だと思うので、できればみんなで読みたいところです。




ちなみに、この論文で応答先となってるLopesの論文は、
"The Myth of (Non-Aesthetic) Artistic Value" The Philosophical Quarterly (2011) 61: 518–536
でして、
わたくし一昨年にこの論文をとりあげつつ、立命館でレクチャーやっております。
そのときの資料はこちら
http://d.hatena.ne.jp/conchucame/20111203


というかLopesさん、今見たところ、今年からアメリ美学会の会長になってますね。
もうすっかり大御所じゃないですか。
写真が若いからダマされましたわ。
http://lopes.mentalpaint.net/



では。
3/5(火)、東大本郷美学芸術学研究室、20時からです。
春休みで暇してて、新しい分野でも勉強してみようかなー、というひとは是非どうぞ。