昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

輪島裕介『創られた「日本の心」神話――「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』 第三部 第九章

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輪島 裕介

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遅くなりましたが(もう読み終わったひともいそうだけど、)第九章いきます。


第九章 五木寛之による「艶歌」の観念化

日本のレコード歌謡の肯定的な特徴とみなされた(すなわち旧来の知識人が最も軽蔑した)側面を強調して「艶歌」という新たな呼称を与え、一種の概念規定を行ったのは、1966年にデビューし70年代にかけて若者を中心に圧倒的な人気を誇った小説家の五木寛之です。(p.220)



「こぶし」や「唸り」を「エンカ」の中心的な特徴と見る視点は、現在では全く常識的なものですが、しかしながら、これらは実際のところ、昭和30年代後半に至ってようやくレコード歌謡に取り入れられた音楽的要素です。(p.239)