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森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

輪島裕介『創られた「日本の心」神話――「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』 第二部 第三章

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輪島 裕介

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第二部 「演歌」には、様々な要素が流れ込んでいる

  第三章 「演歌」イコール「日本調」ではない

誤解とは「日本のレコード歌謡は、元々の日本的なものから、徐々に西洋風(アメリカ風)になっていった」というものです。……これは端的に申し上げて、誤りです。(p.67-68)




股旅物を過去から連綿と受け継がれた「伝統」とすべきではない(p.74)

昭和30年代から40年代を通じて流行歌手に必要な素養が、旧来の西洋芸術音楽に基盤をおいたものから決定的に変質してきた(p.75)

現在の「演歌」を特徴づける「こぶし」や「唸り」の利いた歌い方は、少なくとも昭和20年代までは殆ど見当たらない(p.75-76)




三橋は、民謡に由来する歌唱技法を初めて直接的にレコード歌謡に取り入れた男性歌手であるという点で特筆に値します。(p.78)






高野・船村がレコード歌謡に持ち込んだ土着志向・地方志向は、古賀政男の都市インテリ的な感傷性や花柳文化的な日本志向と区別しうるものです。(p.82)


「田舎調」における「田舎」とは、「都会に出てきた人」によって「故郷」として理念化された「農村」でしたが、「都会調」が歌った「都会」も同様に、「田舎から都会に出てきた人」あるいは「田舎から都会に憧れる人」の視線に媒介された、ファンタジーとしての「都会」でした。(p.84)




畠山みどりが、パロディないしコミックとしてレコード歌謡に取り込んだ浪曲的な意匠を、「唸り」という歌唱技法によってさらに極端に推し進めたのが都はるみです。(p.95)





疲れたんで、とりあえず、ここまで。
何か、貼るべきもの貼ってなかったりしたら、ご指摘お願いします。