昆虫亀

森功次(もりのりひで)の日記&業務報告です。

あいちトリエンナーレについて記事を2本書きました

書いてからちょっと時間が経ちましたけども、あいちトリエンナーレについて記事を2本書きました。

 

『現代ビジネス』

gendai.ismedia.jp

 

『文春オンライン』

bunshun.jp

 

いろいろ言いたいことはもっとあったんだけど、どちらの記事も依頼された文字数を大幅超過した記事になってしまったので、もろもろ削りました。どっちの記事もホットな話題だということで結構急いで書いたんですけど、もうすこし時間かけて内容練ってもよかったかもしれない。

自分としては、美学者としてごく当たり前のことしか書いてないつもりなんですが、意外とバズったのでちょっと驚いてます。文春の記事の方は竹田恒泰とかに変な拡散されたので、攻撃的なリプライが結構来てましたけども。

 

公開後の各種リプライを受けてのコメントがこちらです。

 

 

ついでに、今回いくつか読んだ中でひとつ面白かった本があったので、紹介しておきます。

卯城竜太松田修『公の時代』朝日出版社、2019年

芸術業界の現状報告としても面白いんですが、大正期の芸術についていろいろ語っているところがあって、そこはかなり勉強になりました。いい本だと思います。

 

 

 

 

 

あと、10月12-13日に開催予定だった美学会全国大会のシンポジウムに登壇する予定だったんですが、こちら台風で中止になりました。なんか1月12日あたりに日程変更してやろうか、という話も出てますが、どうするんでしょうね。

 

 

宇宙開発フォーラム2019のワークショップ「宇宙開発における芸術」に出ます。

【告知】下記のイベントに出ることになりました。

 

宇宙開発フォーラム2019
9月14-15日(土、日)
東京大学 武田先端知ビル 武田ホール

https://www.sdfec.org/program

 

15日(日)13:00 - 16:30のワークショップ 2「宇宙開発における芸術」に出ます。

【資料追加】一橋大学の哲学・社会思想セミナーでレクチャー講演をします。7月12日(金)の昼。

先日のネタバレイベント@代官山蔦屋書店は立ち見が出るほど盛況に終わりました。

写真パシャパシャ撮ってたので、そのうちフィルカルHPにも記録が載ると思います。

 

 

で、次のお仕事ですが、一橋大学の哲学・社会思想セミナーでレクチャー講演をします。平日の昼ですが!

 

【第17回】一橋哲学・社会思想セミナー


【日 時】 2019年7月12日(金) 13:15-18:00

【場 所】 国立東キャンパス 第三研究館3階 研究会議室

【講演者】  森功次(大妻女子大)、村山正碩(一橋大学

セミナー内容】

(1)個人報告
村山正碩(一橋大学) 「表出とは何か、像表出とは何か」
 
(2)レクチャー講演
森功次(大妻女子大学) 「専門家の意見はわたしの美的判断にどう関わるのか――理想的観賞者と個人的判断との関係をめぐる現代の論争とその展開」

 

要旨は以下にupされてます。

http://www.soc.hit-u.ac.jp/~soc_thought/seminar17.htm

 

 

伝統あるセミナーにお呼ばれして光栄です。これまでの登壇者を見返してみるとあらためてビビる。いやー、自分のことはさておき、このセミナーいい人選でやってきてますよねー*1

 

いちおう依頼としては「そこまでオリジナルな話をしなくてもいいので、院生向けに分野の状況解説をしてほしい」といった感じでした。なので、基本はドミニク・ロペスの議論を中心に紹介しつつ、理想的観賞者説をめぐる論争状況について解説する、という感じになると思います。

事前の参考読書としては、高田さんが昨年の日大でやったワークショップで発表したときの資料が一番いいと思います。ロペスの議論にも少し触れてるので。

 

ロペスの最新刊はかなり面白いので、オススメです(難しいけど)。現代の徳倫理学や価値論、grounding theoryなどの議論をバリバリ応用しながら、新しい美的価値論を提案していて、けっこうスリリングな本になってます。スノッブの話や、意見対立(disagreement)の話、美的選択の話など、現代美学のいろんなトピックと結びつけながら話が進められるので、「おー、この話とつながるのか!」みたいな面白さがいたるところにある。翻訳してちゃんと紹介すべき本だと思うんだけど、ロペスはけっこう表現が難解で、読める日本語に落としこむのがそうとう手間取りそうなので、ちょっと躊躇してます。任期なしの常勤ポストとれたらじっくり時間かけて翻訳するかもしれない。

 

Being for Beauty: Aesthetic Agency and Value

Being for Beauty: Aesthetic Agency and Value

 

 

 

 

ともあれ、7月中旬までは頑張って準備します。

では。

 

※追記:2019年7月14日

終わったので、資料およびに発表原稿をupしました。

ご興味ある方はこちらからダウンロードどうぞ。

原稿: https://researchmap.jp/muzdvpax5-1833297/#_1833297

スライド: https://researchmap.jp/mupgs1bqk-1833297/#_1833297

 

 

 

*1:これまでの講演者に、笠木さん、和泉さんと応用哲学会発表賞受賞者が並んでるあたりを見ると、プレッシャーがかかる。そして第七回の和泉さんのときの紹介文がちょっとウケる。「和泉先生は日本の言語哲学業界をリードする研究者の1人として著名になりつつある方です」。